言葉より先に
マドリードの街を歩いていたら、淡いベージュの建物の正面に出た。Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía(ソフィア王妃芸術センター)、とある。
Fragments 散文
マドリードの街を歩いていたら、淡いベージュの建物の正面に出た。Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía(ソフィア王妃芸術センター)、とある。
何年かぶりにコーディング(プログラミング)をやって驚いた。真逆だと思っていたフィクションの執筆との類似点を、数多く見つけたのだ。
耳鳴りの専門医は、私の左耳を見ることもなく、ボソリと言う。
プノンペンに到着した翌日、旅の目的だった予定がキャンセルになり、することがなくなった。何度も訪れている街なので、今さら観光スポットを巡る気にもならない。そもそも今は、雨季の真っ只中だ。
予約したフライトが、大雪で欠航になった。使用する機体は搭乗ゲートは姿を現さぬまま、アナウンスが淡々と事実を告げた。
イギリスの経済誌が「ビッグマック指数」というのを発表している。世界55ヵ国ほどの都市でマクドナルドのビッグマックがいくらで売られているかを比較し、各国の経済力と通貨の強さを測る指標だ。
北東北に友人夫婦が住んでいて、数年に一度、ふらりと訪ねている。東京を拠点にしていた頃は、東北新幹線か東北自動車道をひたすら「北上」した。
地中海の西端を渡るフェリーがスペインの岸壁を離れる瞬間、何かが抜けていく感じがした。揺れではない。もっと微細な、重力の質の変化がもたらす感覚だった。
東行きの道東自動車道が南富良野あたりに差し掛かると、降雪が激しくなってきた。11月の山間なら当然の光景だと思いながら、私はステアリングを握る手に少し力を込める。
世界各地の歓楽街について見聞きするたび、多くの人は、さまざまな妄想と共に「いつか訪れてみたい」という願望を抱く。私も例外ではない。
道北の狭い山道を車で走っていると、路肩の熊笹に半ば隠れて「ロテン→」となぐり書きされた木片を見かけた。
その頃、私はスマホやネットへのアクセスなしで、中米を彷徨っていた。地図の空白を塗りつぶすゲームのように各国を訪れ、最後にエルサルバドルの首都、サンサルバドルにたどり着いたのだった。
昨年の夏、数十年ぶりに道北サロベツの豊富町を訪れた。
旅先のサンノゼで乗り込んだタクシーの運転席には、アジア系の男性が座っていた。四十前後だろうか。走り出してすぐ、携帯電話が鳴った。ハンズフリーで通話が始まる。最初は英語だったが、すぐに聞き慣れない言語に…
私はときどき、大学の図書館に足を運ぶ。学生でも卒業生でも教職員でもなく、近隣に住む市民として利用を許されている。広々とした空間は静寂に満ちていて、一時的に集中するには便利な場所だ。試験期間を除けば、自…
世界のどこにいても、中華料理に助けられてきた。
JR旭川駅で乗り継ぎの待ち時間ができた。次の普通列車まで数時間ある。急ぐ旅ではない。乗車券は途中下車を許している。わずかな時間でも駅と街を歩けば、鉄道旅の楽しみは確実に増す。
20世紀の終わりが見えてきた頃、私は都内のアパートから週に一度、埼玉の浦和まで英会話講師のアルバイトに通っていた。
初めてカヌーに乗ったのは、もう何年も前のことだ。道東の湿地をゆっくりと進むあの感覚が忘れられず、いつかまた北海道の川を下ってみたいと思っていた。
物理は最も苦手な科目だったが、あの先生のことだけは好きだった。
十月に入って、明け方の気温が一桁台になった。この北の街に移り住んでから、まもなく三度目の冬を迎える。
世間一般では、人生で引越しを経験する回数というのは、意外と多くないらしい。先日、同年代の知人たちと「引越し」の話題になったとき、そのことを改めて実感した。
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